真夜中の恐怖

2001年8月18日
当直中。
救急できた患者の処方を調剤したり、入院中の患者の処方を調剤したりするのも、もちろん、当直の仕事だが、
薬局に置かれている、多量の薬の管理も仕事の1つだ。

多量の薬の中には、高価な薬(1錠1万くらいする薬)があったり、毒薬などの要注意な薬があったりするのだが、
そのなかで、一番取り扱いが厄介なのは、麻薬である。

麻薬は監査も厳しく、個数が1つでも違っていたら大問題。
粉の場合、?単位で監査される、大変面倒な薬剤である。

普段近寄らず、電気の消えたある部屋の金庫の中に保管され、請求される度に、取り出しに行くのだが、このとき様子が違っていた。

電気がついているのだ。

もちろん、このときまで、この部屋に近づかなかった有間は、電気をつけた覚えはない。
しかし現実には、手元を照らすスタンドの明かりが、扉のガラス越しにひっそりともれている。

やられた・・・そう、思った。

トイレに行った時か、はたまた、眠気覚ましに缶コーヒーを買いに行った時か。
ほんの一瞬の隙に・・・というのは、よく事件なんかがあったとき、その当事者が必ず口にする言葉だが、まさか、自分のみに起きるとは思わなかった・・・。

後悔、先に立たず・・・。

扉の前で、いろんな思いが交錯したが、といあえず、それでは先に進まない・・・と、気を取り直して、扉を開けた。
すると、そこには1人の男が、いた・・・。

最近、ここの病院でも禁煙ブームがはやり、灰皿が少しばかり減り、喫煙者にとっては、たいへん住みにくい場所になりつつある中、
我が薬局では、上司がかなりのヘビースモーカーであるゆえ、暗黙の了解で、ある部屋だけ喫煙室状態になっているところがある。
この部屋は、病院職員である喫煙者にとっては、聖域であり、毎日、時間を問わず、多くの人が通ってくる。
しかし、それはあくまで、通常時間勤務内の話である。
当直一人になってからはの来訪者は、普通いない。
また、あっても、一言、声をかけてくるハズなのだが・・・。

その男(ドクター)は、おもむろにたばこの煙をはいて、こう言った。

「気にしなくていいから」

・・・・むっちゃ気にするわ〜〜〜っっ!!(怒)

しかし、小心者の有間がそれを口に出して言えるわけもなく、「はーい」と良い返事をして、
顔で笑って、心で怒りながら、仕事を続けたのは、言うまでもない・・・。

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