つい先日、朝から、救急担当の看護婦さんが、
「コレ、何の薬か調べてくれる?」
と、いくつかの他病院の薬袋を持ってきた。

どうも、この薬袋の持ち主は、もらった薬を、いっぺんに飲んで、昏睡状態で、運ばれて来たらしい。
見ると、薬袋の中には、多量な薬の飲みカスと、キリン・ラガーのビール瓶の蓋が入っている。

・・・ビールで、薬を飲んだのか?これは・・・

しかも、薬の飲みカスを見てみると、見知った、向精神薬や睡眠薬が5,6種類入っていた。

これを、いっぺんにビールで飲み干したら、昏睡状態にもなるだろう。
これは、すぐさま、薬を吐き出させて、胃洗浄なり、なんなり、させなければ、へたすると、死ぬぞ?。
死にたいのか?この人。

そんなことを思いながら、
とりあえず、薬の名前と効能などを書き出して、看護婦さんに渡し、その後は、ドクターにお任せしたのだが・・・。

2日後。
「あの患者さん、自殺しちゃったらしいよ。」

昏睡状態から回復した後、退院したものの、退院したその日に、首を吊ったらしい。

一度、助かっちゃうと、次が、なかなか、思い切れないと言うけれど、
よっぽど、死にたかったにちがいない。

間接的にではあるけれど、自分が関わった患者で、死なれたのは、初めてだったので、ちょっと、ショックだったのと、自分はやはり、ちょっと無力だな、と痛感した・・・という話。



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